【美女の正体】要約まとめ~下村一喜 の名言12選

この人すごい。カッコイイ表紙に惹かれて読んだ本です。

『1973年兵庫県宝塚市生まれ。多摩美術大学卒業。渡仏後フランスの「madame FIGARO」誌と契約し、日本人写真家として初めてイギリスの「THE FACE」の表紙を飾るなど、ヨーロッパで活躍する。帰国後、国内外の広告や雑誌の表紙、CDジャケット、そして映像分野ではCMやPVの監督も務める。宝塚歌劇団100周年記念作品「エリザベート」「ロミオとジュリエット」「ベルサイユのばら」の、総合ヴィジュアルを担当。 2015年、東京都現代美術館に請われ「山口小夜子展」に作品を発表』

まず著者の素晴らしい作品を以下に。美しい。

浅丘ルリ子2010年

下村一喜

後藤久美子2009年

下村一喜

小雪2013年

下村一喜

常盤貴子2016年

下村一喜

本書から下村氏の名言を以下に。



僕の生い立ち

僕自身は、ちょっと変わった子でした。美しいものがすごく好きで、いつも絵を描いていた。親の離婚もあり、家の中は常に混とんとしていやなことがたくさんあったのですが、学校に行っても居場所がありませんでした。僕は異形のものだったのです。性的に自分がゲイであることは、小さいころから自覚していました。

ようやく見つけた居場所が、映画の中です。映画の中に出てくる美しい女優さんに憧れ、崇拝し、その女性像にトランスして生きていました。

国際人とは

国際的な場において、ナショナリズムを捨ててしまったら、国籍不明の謎の存在になってしまう。僕には日本人という民族性がある。インターナショナルになるには、何よりもナショナリストであるべき。

当時僕が持参したブックが拙いものであることはじぶんでもわかっていた。そこで僕は自己プレゼンテーション、アピアランスを黒い革のパンツ、黒い革のタンクトップ、黒い革の手袋、黒い革のトレンチコートに託したのです。

パリの腕利きのデザイナーは忙しい。作品を持参した売り込みに時間をさいてくれない。そんな彼らがそのブックを見たあとは、ぼくにいろいろな問いを投げかけてくれたのです。

「で、あなたは何者?何を伝えたくてパリに来たの?何がやりたいの」僕が話したのは、三島由紀夫の話、黒澤明の作品について、「愛のコリーダ」のこと、日本の文化、日本の建築、日本のファッションのこと・・・

「ヴィトンのモノグラムは日本の家紋から」「アールヌーヴォー、アールデコとかあなたたちが愛でている世界観は、日本の影響」「日本のミニマリズムの素晴らしさを知ってますか」「床の間は、家の中の小さな美術館」僕のおしゃべりを、フランスの人たちは喜んで聞いてくれました。それはぼくが一番言いたかったことであり、それを伝えることができたので、僕は仕事をもらえたのだと思う。

山口小夜子

「美しいことは苦しいって。小夜子さんがおっしゃった中でいちばん心に残ってる言葉ですね」山口小夜子、1949年~2007年。日本人モデルとしてパリコレのランウェイに登場。才能と美貌に恵まれた稀有な女性。スティーリー・ダンの歴史的名盤「AJA」のジャケットが有名。当時「世界のトップモデル6人」に選ばれた。

後藤久美子

僕は久美子さんと一緒に過ごす時間のなかで、たくさんの質問をしてみました。「シモちゃん、これでやっと私の人生つじつまが合ったの。だって私にはいわゆる青春なんてなかったんだもん」

久美子さんは自ら望んで芸能人として生きたいと願ったのではなく、その完璧な美貌により発見された人です。

「私は子供を産んで母親になったから、私が思うような女になれたのよ。なりたかったの。私の夢は母親になること。いましっかりと子供の反抗期を堪能してるわよ」

ヴィトンのバッグ

バブルの時代、みんなヴィトンのバッグを持ちましたよね。今は豊かじゃない人がカップ麺をすすりながら持つバッグじゃないことを、ようやく理解するようになった。自分の身の丈に合うファッションが根付いて、チープ&シックが上手になった。今現在のファッションの軸になっているのは、コンフォート(心地よさ)です。



お金で買える人格

性格や頭の善し悪しは、外見からはすぐにはわかりません。人はその人の外見から、それを推測するしかないのです。あなたの着る服の色やデザイン、質感、コーディネート、小物やアクセサリー、すべてがあなたの一部として認識されます。

ということはあなた自身の印象をコントロールするのはきわめて簡単。ファッションセンスといくばくかのお金さえあれば、少なくとも外見だけはイメージ通りの自分になれます。そう考えるとファッションというのは、お金で買える人格、なのかもしれません。

リタッチとは

21世紀の大いなる写真技術のひとつ。いまやリタッチ加工後の写真でないものはほぼない。クマはなくなり、脚は細くなり、二の腕のたるみは解消され、首のシワは消される。じつは20世紀のハリウッド黄金期のポートレイトも、全部エアブラシによるリタッチが加えられていた。

セルフプロデュースに取り組め

写真家の僕は、モデルや女優さんを美しく撮るために、ありとあらゆることを考えます。あなたも自分を美しくするために、考えてください。

どんな服を着せる?メイクはどうする?キャラクター設定も忘れずに。自分は何をしてるときが素敵か?どんな立ち姿が美しい?笑顔はちゃんと作れる?

自分という素材は、たとえ気に入らなくても交換や返品はできません。受入れて、折り合って、一番よく見える形に作り上げるのが、あなたの一生の仕事です。そういう努力をコツコツと積み上げていけば、遅くても5年後には、素敵なご褒美が用意されてます。

その貪欲さが行きつく先には、洗練があるのです。洗練とはどんなものか?知性、華やかさ、センス、オーラ、あたたかみ、信頼感。どんな言葉を使っても説明しきれません。

僕がイメージする洗練とは、人の痛みがわかる、他人に恥をかかせない、大きな優しさをもってること。自分の足で立って、一人で生きていく力のあること。洗練とは、どんな容貌の女性でも美しく見せてしまう。

美女の正体

ひょっとしたら僕たちは、美女とはこうあってほしいというさまざまな幻想を誰かにトッピングして、その姿に憧れたり愛したりしているのかもしれません。

エリザベステイラー。世にも珍しい紫色の目を持つ女性。世紀の美女と謳われた女優。1940年代から60年代半ばくらいまで約20年間。エリザベステイラーといえば世界的美女の代名詞だった。

その美しさに反するように彼女の人生は壮絶だった。何度も結婚離婚を繰り返し、奔放な発言が映画会社を振り回した。12歳のころ、映画の撮影で落馬し背骨を傷めたことで、ずーっと病気にさいなまれ、リハビリと睡眠薬に頼って生活していた。

世界中の人から美女と呼ばれ崇拝され、だけどみんなが見ているその姿は、勝手な妄想の産物。本当の自分の影が薄くなり、自分の存在を確かめるためにも誰かにそばにいて欲しい。エリザベステイラーの恋愛体質の真意がひとつ垣間みえる。



美しい人には知性がある

たくさんの美人と知り合い、一緒に仕事をしてきました。僕は気が付きました。「美しい人には必ず知性がある」奥行きのない人を、美しいとは思えないのです。撮影をしてるとそれはあぶり出しのように表れます。

僕のいう知性は、学歴とは関係ありません。生きていくうえで、さまざまな経験を経て身につけたものが知性です。

女性の隙とは何か

隙(すき)とは安心感だと思う。男性はいつも安心したい。日ごろ虚勢を張って生きているから安心感に飢えている。

どこに安心感を感じるかは、男性によってぜんぜん違う。その安心感の正体は「お母さん」。
安心感の奥をずうっと探っていくと、その男性の母親像に行きつく。男性はお母さんと同じ匂いの女性を探して、そこで安心したい生き物。

白バック

写真を撮り始めた当時は、美女というものに確固たるイメージを持ち、それを求めていた。僕の好きな構図の中にぴたりとハマる。どんなモードにも負けない存在感。白バックを背景にしてもたじろぐことのない、まっすぐな強さ。

白バックとは撮影方法のひとつ。真っ白いスタジオでいっさいの装飾を廃し、背景に力を借りることのない世界。それだけにカメラマンの技量と、被写体の魅力が問われるシビアな写真表現。

本書のフォトでは、松坂慶子が白バックで撮影されてました。MTVで白バックといえば、この人を思い出します。意志の強さを感じます。30年以上生き残ってる。結果ですが。
マドンナで、ラッキー・スター♪

Madonna – Lucky Star (Official Video)
レスポンシブ広告

シェアする