世界で2000万部を売り上げた名著。ビジネス書というか、いわゆる成功本(夢がかなって金持ちになる)は世の中に溢れてますが、どうも胡散臭いものが多いです。
だいたい10冊も読むと、同じようなことが書いてあるのがわかります。そんな中でもピンの3冊と言われるものがあり、ほとんどの本は、これらのコピーというか、表現を変えたようなものです。
・思考は現実化する
「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」で、息子へ読めと紹介してた10冊のうちの1冊。鉄鋼王カーネギーの要請で、成功のノウハウの研究を20年間つづけて著した本。数百名のインタビュをした成功者の中にはフォードやエジソン、ベル、JPモーガン、ロックフェラーなんかが含まれていて、ある種の偉人伝的な趣もあります。ただある章で第六感を鍛えろとかいうのがあって、そんなことできるかぁとなります。
・人を動かす
個人的には、それはもうわかってるというような話でした。若い人や、あまり人生哲学本なんかを読んだこと無い人向けかも。退屈で精読できなくて飛ばし読みしちゃいました。
・7つの習慣
ピンの3冊では、この1番新しい本の「7つの習慣」だけは読んだことがありませんでした。ふと図書館で目に付き、帯をみると、トヨタの奥田さんが、本書は世界の貴重な財産と推薦したり、リッツカールトンが幹部研修の中核本として位置づけたりしてるじゃないですか。なんかすごそう。。
読んでみると、う~むこれはいい。例え話が息子と父親の会話や家族の会話から抽出してるものが多く、わかりやすい、てか沁みます。
けっきょく話し自体は、人生原則として、だれもが知ってるような話なんですが、たとえが秀逸なんです。だから身にしみて理解できる。池上彰さんみたいなもんか。
7つの習慣を僕なりの理解で以下に。
1.主体性を発揮する。
これ子供の教育と同じなんですが、勉強しろといっても意味ないですよね。自分からやる気ださないと集中力がでないですもん。人を批判したり不平を言うんじゃなくて、自分から働きかけてまわりを好転させようという話
2.目的をもってはじめよう
ゴールをちゃんと設定しようという話なんですが、なりたい自分をイメージしてくださいと。要は人にどう思ってほしいか、自分の葬式で、あいつは「ほんとに○○なやつだった」の○○に向かいましょうと。
3.重要事項を優先しよう
これ使えます。部長から君の部下の○○君は、パフォーマンスが悪いと指摘されたときに、このマトリクスの考えをつかって、彼は第三領域の仕事が多いので。。とかばうことができます。部下だけじゃなくて、自分も結局日々の仕事でもぐらたたきをしてるということは、第三領域が多いんでしょうねえ。。
4.WINWINを考える
ぼくはこの言葉すきじゃありません。なんか軽すぎる。10年ほど前に上司がこの言葉を連呼してたのですが、やってることは一人勝ちの搾取だったので。。究極のWINWINは間をとることだ(ワリカンというか歩み寄りというか、中央値)とぼくは思います。要は相手の利益も真摯に考えるということ。
5.理解してから理解される
人のはなしをよく聞きましょう。人の話を聞きながら自分の話を考えるんじゃなくて、感情移入して誠実に人を理解しましょうと。自叙伝(自慢話)を人にひけらかすんじゃなくて、人の話を真摯に理解することです。理解されると人は相手の話も聞いてみようとはじめて思うのです。
4と5は利益の反する交渉ごとに使えます。てか実際使いました。お互いが自分の利益を主張し熱くなる交渉は不毛です。ホワイトボードに、まず相手の主張を整理して書き、次に自分の主張を書く。相違点が明白になります。双方とも自分の理屈がありますが、それは平行線です。お互いがそれを理解すれば、WINWINは出やすくなります(ぼくは中央値が妥当と思います)
6.相乗効果を発揮する
4と5を意識的に行うと、信頼や協力が高まります。そうると1プラス1が3や4になる。究極の相乗効果は結婚です。2人が3~4人になります。
7.刃を研ぐ
きこりが必死に木をきろうとしてるが、なかなか木を倒せない。少し休んでノコギリの刃を研ぐと、仕事を早く片付けれる。日常的にみずからの再新再生活動をおこなうべき。
4つの観点
知性:本がいい(今の時代ならネットなんかも)
精神:宗教や音楽や古典文学や禅etcなんかで自分の精神を保つ
肉体:持久力に影響するので、週に3~6時間の運動が必要。
社会:よい友人
結局この本は「人格主義」の本です。よい環境で人生経験を積んで、人の痛みのわかる人間になろうと。自然体でそういう人はたまにいます。そういう人でなくても、そうなろうと心がける人がぼくは好きです。