「伝え方が9割」は64万部売れたそうです。前作をまとめ直して、新しい手法を3つプラスした本。本書の目的は、伝え方の技術を身につけること。
前作が教科書だとしたら、本作はドリル、練習問題集のようなものです。前作より実例が豊富なので、身につきやすい。コミュ力は誰でも必要とされる技術なので、読んで損はないです。
<相手からイエスと言ってもらう7つの切り口>
・相手の好きなこと
・嫌いなこと回避
・選択の自由
・認められたい欲
・あなた限定
・チームワーク化
・感謝
<強い言葉をつくる8つの技術>
・サプライズ法
・ギャップ法
・赤裸々法
・リピート法
・クライマックス法
ここまで前作に書かれてた手法です。前作記事をご参照。
(前作記事:https://book-jockey.com/archives/6882)
以下本作でくわえられた3つの技術。
ナンバー法
数字を言葉に入れると説得力が増す。基本的に奇数が多い。ひとつぶ300メートル、7つの習慣、101匹ワンちゃん・・・
「天才とはわずかなひらめきと、膨大な努力である」
↓
「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」
合体法
この世の新しいものは、そのほとんどが2つのものの組み合わせで生まれる。ブームコトバをつくるレシピ。
妖怪ウォッチ、ゆるキャラ、カルピスウォーター、クールビズ、壁ドン、こども店長・・・
①軸言葉を選ぶ: 男子
②別軸の言いかえをたくさん出す: 消極的(ソフト、控えめ、遠慮、草食)
③組み合わせる: 草食男子
頂上法
一番のものに人は強烈に興味を持つ。
一番搾り、お菓子のホームラン王、店長イチオシ・・・
「とっても受けたい授業」
↓
「世界一受けたい授業」
以下になるほど!と思ったうまい言いかえを。
<デートのドタキャンを丸くおさめる>
「ごめん、仕事が入っちゃって、今日はキャンセルさせて」
これじゃあ相手はがっかりですよね・・・
↓
「ごめん、仕事が入っちゃって、でも、もっと会いたくなっちゃった」
こう伝えることで元は単なるドタキャンが、ふたりの感情をさらに燃え上がらせる障害へ変わった。
<トイレのふたを閉めない夫に閉めさせる方法>
「トイレのふたを閉めて」
奥さんが何度言っても夫は閉めない。閉めることもあるが次の日には閉めない。
↓
「トイレのふたを閉めないと、金運が下がるってよ」
夫は次の日も、その次の日も、トイレのふたを閉めるようになった。
<騒ぐ子供を注意しなかったママ友集団が、一変した伝え方>
夕方のファミレス。子供が店内を走り回り、ママ友集団は話に夢中。
店員さん「ほかのお客さまの迷惑になるので、お子様を席につかせていただけませんか」
一瞬こちらをみたが、アクションなし。店長に相談。
↓
店長さん「熱々の料理を運んでおります。ぶつかってこぼすと、お子様に大変なやけどをさせてしまいます。席に戻るようにお伝えいただけませんか」ママ友集団は子供を迎えに行ってまで席につかせた。
<本の万引きを劇的に減らした注意書き>
万引きが絶えない本屋の店長。
「万引きは犯罪です」と大きく書いてるが、効果がない。
↓
「みなさんのおかげで、万引き犯を捕まえることができました。ご協力ありがとうございます」ポスターを作りかえると、万引きが激減した。
<コミュニケーションで損をしていないか一発でわかる質問>
「あなたは今日ありがとうと言った人を覚えていますか?」
人がありがとうと言えるタイミングは、1日に平均して31回ある。1日31回あるタイミングですべて「ありがとう」と言えているなら、その人は伝え方の達人。
この本に書かれてることは、実践できるかどうかがカギです。読んだ時はなるほど!と思っても、すぐに忘れるのが人間です。本書には備忘のためのカードが付録でついてました。
本で読んで、ドリル風に練習して、それでも思いつかないときはカードを見る。そうすると、そのやり方を思い出します。
どんな素晴らしい言葉も♪
恋の痛みはやわらげてくれない♪
どんなに言い換えても♪
おなじなんだよ♪
クリストファークロスでWords of wisdom♪
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