【学問のすすめ・福沢諭吉】わかりやすく。全17章を2~3行で要約してみた

みなさん、ユキチはお好きですか?

ぼくは大好きです。だけど、ぼくの財布の中は英世くんだらけです。あんまり樋口さんもいません。とほほな日々。

なじみの居酒屋は、おでん一個百円、つけもの一皿二百円、ストロングハイボール420円で十分極楽なので、英世君でも大活躍ですけど。

栄えある最高額紙幣で、前任者はかの聖徳太子ということで、どんだけすごいおじさんかと恐れおののいていたのですが、う~ん。。

普通の人やん。賢いおっちゃんが、本を書いて、塾を作っただけです。年齢的には吉田松陰の4つ下で坂本竜馬の1つ上。

ユキチの性癖。飲むと全裸になったそうです。緒方洪庵の塾生時代、酔っ払って緒方洪庵の奥さんを全裸で通せんぼした。上司の奥さんに全裸でがなりたてるユキチ。

仲間と一緒に飲むとき先客の娘さんたちがいた。邪魔だったので全裸で乱入。娘さんたちはきゃあきゃあと逃げ回る。目論見どおり場所を奪い取って飲む。アホや。現代なら間違いなくSNSで血祭りにあげられてユキチ、お縄。



「学問のすすめ」は当時の人口3000万人の日本で、300万部売れたベストセラーだったようです。なんかメモを残すようなところがあんまりない、今の感覚ではそのへんに転がってるような本でした。

中世の人の一生分の情報量は新聞一部程度だそうで、100年前の人の1年分の情報量が現在の1日分程度だそうです。そういう観点ではユキチはすごかったのでしょう。

ユキチのどこが偉かったのか?

本書によると、蘭学を捨てて英語に走ったことだそうです。ユキチは大阪適塾で蘭学の勉強で数百人のトップにたつほどのオランダ語の達人でした。だけど横浜港でまったくオランダ語が使えない場面に遭遇し、これをあっさり捨て英語に転向します。24歳の時です。

このとき明治維新から9年前、オランダ語の達人が自らオランダ語を捨て、英語を選び取ったのです。おそらく日本中でそんなことをしたのはユキチだけとの事。やるじゃんユキチ。

「学問のすすめ」は明治4年から9年にかけて発行された小冊子17編を、ひとつにまとめたものです。この本はわずか200ページ強で3時間程度で読めます。

学問のすすめ

せっかくなので17章を簡単にまとめます。



学問のすすめ、全17章を2~3行で要約してみた

1章:天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず
有名なフレーズから始まる。人は平等だと宣言して、自立するためには学問が大事だと述べる。ユキチには国家の繁栄は個人の自立による、との強い信念があった。「日本人に身分制度という愚かなものはなくなった。ただ、その人の才能・人間性・意欲によって自分の人生が決まるようになったんだ。」

2章:権利は平等に与えられている
前時代の学問(儒学&蘭学)から、新しい学問(経済学、物理学など)へのシフトを訴える。
難しい言葉を振り回す人間はアホだとも言ってます。

3章:愛国心について
個人が自立しないと、愛国心は生まれない。

4章:私が先頭にたつ
新自由主義、小さな政府を主張している。政府にすりよるマスコミもアホだと批判。

5章:新年に言葉をよせる
一国の文明はミドルクラスから起こってはじめて成功する。

6章:法とは貴いものである
有名な忠臣蔵批判。暗殺への激しい批判をしている。ユキチは攘夷派の暗殺リストNo1だったから。

7章:国民の役割とはなにか
「国民は国家の株主であり、社員でもある」現代では平凡なたとえだけど、当時としては破格の新しい認識を主張している。

8章:男尊女卑は許しがたい
みずから下級氏族として虐げられた経験をもつユキチが、当時虐げられていた女性の社会的地位向上に目を向ける。

9章:故郷・中津の青年に向けて1
個人を確立した上での社会貢献、国家への貢献を、故郷の青年たちに求めている。

10章:故郷・中津の青年に向けて2
まだ弱い日本への危機意識から、青年たちへもっと学ぶことをすすめる。ユキチの心配は「最近の若者が困難を避け、安易なものに流れること」

11章:身分制度という害悪
再び旧身分制度を厳しく排撃している。ぼくらのイメージする武士道ではなくて、ひたすら卑怯で尊大なものとして表現されている。

12章:演説の重要性について
スピーチに演説という訳語をしたのはユキチです。「学問とは、観察・探求・読書によって知識を蓄積し、議論によって知識を人と取り交わし、著作・演説で自分の知見を人に広めること」

13章:恨み・妬みは人間最大の不道徳
これを諸悪の根源とし、江戸の大奥で繰り広げられたことを強烈に批判している。ちゃんとコミュニケーションすれば良いと。

14章:心の持ちよう
目標が達成できない原因について「すべて難易度と時間の制約を見極めておらず、締め切りの読みが甘く、実際に実行する労力をみくびっている」過保護についても批判してる。

15章:懐疑的精神の意義
なんでもかんでも西洋が優れているわけではない。日本の優れたところも認識しよう。泥棒がいない、大工左官の仕事にも契約書なしできっちり仕事される。毎日風呂に入る等々。

16章:精神と行動
欲望のまま生きると、精神の自立が妨げられる。「一杯、人、酒を飲み、三杯、酒、人を呑む」ユキチの言う嫌われる人とは「いばり散らす人、人に勝つことばかり求める人、人に多くを求めすぎる人、人の悪口を言う人」

17章:誠実さが信用を生む
活力のある、真に自立した生き方をするには、以下の3点が大事
・言葉を学び、演説を学ぶ
・豊かな表情で人と接する
・多くの人と豊かな人間関係を結ぶ

いかがでしたでしょうか。ユキチのこと、少しは好きになったでしょうか?ぼくはむかしから、ユキチは大好きです。

Randy Newman – It’s money that I love
ランディニューマンで「この世は金次第」♪
愛は買えないけど、16歳の少女やコカ○ンはたくさん買えるという。しぶい歌詞です。

It's Money That I Love – Randy Newman – 10/21/2017
レスポンシブ広告

シェアする