「6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート」書評と要約

多くの人に読んでもらいたい本。

ぼくたちが便利に暮らせば暮らすほど、多くの種が絶滅していく。色とりどりの貴重な動植物が、この世界からいなくなっています。数分に1種が絶滅していってる。

ご存じのとおり、地球は45億歳です。40億年はバクテリアしかいませんでしたが、最後の5億年は複雑な動植物が現れてます。この5億年に大絶滅が5回おきている。




現在6度目の大絶滅が進行中です。原因は人類が生態系の景観を変えたこと。ヒトは6度目の大絶滅の原因であるのみならず、その犠牲者になるかもしれません。他の種を絶滅に追い込むことにより、人類は自分がとまってる枝をきっている。

本書の概要は以下。

『地球ではこれまで5度の大量絶滅が起きている。隕石衝突、火山活動、氷河期到来など、
いずれも突然の大規模な自然災害で多くの種が消滅した。

そして現在、サンゴ類の1/3、淡水産貝類の1/3、サメやエイの1/3、哺乳類の1/4、爬虫類の1/5、鳥類の1/6、植物の1/2が、この世から姿を消そうとしている。恐竜時代には1000年に1種だった絶滅が、いま毎年推定4万種のペースで人知れず進行しているのだ。

このままでは2050年には種の半分が消えてしまうかもしれない。世界各地でいったい何が起きているのか? そして原因は何なのか?絶滅の最前線で、歯止めをかけようとする研究者たちの時間との闘いが熱く繰り広げられている。』

(目次)全359p+参考文献33p

第1章 パナマの黄金のカエル
第2章 マストドンの臼歯
第3章 最初にペンギンと呼ばれた鳥
第4章 古代海洋の覇者
第5章 人新世へようこそ
第6章 われらをめぐる海
第7章 海洋の酸性化
第8章 アンデス山脈の樹林帯
第9章 乾燥地の島
第10章 新パンゲア大陸
第11章 サイの超音波診断
第12章 狂気の遺伝子
第13章 羽をもつもの

著者はニューヨーカーの記者。数々の受賞歴があります。本書は2014年のベスト10冊に、複数のメディアで選出されています。2014年ノンフィクションベストブックにも選ばれている。早い話が2014年、英語圏でもっとも評価された本だということです。

まず訳がいい。文体がいい。それから著者自身も手練れのライターで、体当たり取材で精緻に興味深い描写ができている。

警告の書です。各章の絶滅の記録を読んでいくと、このままじゃいかん!と誰もが思うようになります。だけど解決策は示されてません。

ぼくたちはどうすればいいのでしょう。

世界は微妙なバランスの上に成り立っています。政治バランス、軍事バランス、生態系のバランス。何かが崩れると、片方もただではすみません。

この世は等価交換です。ぼくたちが楽しんだつけを、美しい動植物が肩代わりしてくれてるような気がする。

以下に読書メモを。
今回は読書メモが多すぎたので、隕石衝突に絞りました。




アルヴァレズ父子の隕石衝突説

1980年6月に発表されたアルヴァレズ父子による、「白亜紀-第三紀絶滅の地球外の原因」は、当初古生物学者の物笑いの種だった。

子のウォルターは、石油会社でプレートテクニクスの研究をしていた。そのとき偶然、以下の難問にぶつかった。「白亜紀後期の石灰岩には、比較的大きな有孔虫の化石が大量に含まれているが、その上の粘土層にはまったく有孔虫が含まれていない」

ライエルやダーウィンの教えは、「いかなる生物の消滅も緩慢な過程でなければならない」であるが、その石灰岩の層序は違った。下層に含まれる多様な有孔虫は、突然ほぼ同時期に消滅していた。

1977年ウォルターは、父のルイス(ノーベル賞学者)がいるバークレー校に職を得る。子が父に粘土層の謎を話すと、父は関心を示した。父は粘土の年代を、元素のイリジウムで特定するという奇抜な方法を思いつく。

イリジウムは地上ではきわめてまれな元素であるが、隕石にはごくふつうに含まれている。微小な宇宙塵粒子の降る量をはかり、年代を推定するという算段だった。調べてみると、粘土層のイリジウム含有量は異様に多かった。これをどう解釈したものか、だれもにわからない。

各国の白亜紀終わりの堆積物を調べても、同様にイリジウムが大量に含まれていた。ある同僚によると、ルイスはこれらの分析結果に、「血のにおいを嗅いだサメのように」食らいついたという。大発見を予感したのだ。

父子はさまざまな説について1年以上議論し、隕石衝突説にたどり着いた。6500万年前のごくふつうの日、直径10キロメートルの弱の隕石が地球に衝突した。(当時、世界はとても暖かく、北極圏には森があった)

爆発した隕石は、もっとも強力な水素爆弾100万個以上に相当するエネルギーを放出し、イリジウムを含む隕石の破砕物が地上に広がった。日中も夜のように暗くなり、気温が下がった。そして絶滅が始まった。

父子は分析結果をまとめあげ、自分たちの仮説とともに「サイエンス」誌に送った。侃侃諤諤の大論争が始まった。

衝突の影響はどのようなものだったのか

科学者はいまだに詳細の多くについて議論中だが、一説によれば衝突は次のような経過をたどる。火球は南東の方角から地球に対し小さな角度で侵入してきた。ユカタン半島には時速7万2000kmを超える速度で落下した。地上からの飛散物と隕石の破砕物が大陸をなめていき、経路にあるものを焼き尽くした。「もしあなたがカナダに住むトリケラトプスだったら、2分で跡形もなく蒸発したでしょう」

大気中に放出された塵には硫黄分が豊富に含まれていた。硫黄塩の粒子は太陽光を遮る率が高い。最初の熱波が過ぎ去ったあと、世界は長い衝突の冬を経験した。

森林は壊滅的な打撃を受けた。多様な植物群落が、急速に拡散するシダ類にとって代わられた。シダ・スパイクとして知られる。

海洋生態系は崩壊したも同然で、少なくとも50万年、もしくは数百万年にわたってこの状態にとどまった。衝突後の荒涼とした海は、ストレンジ・オーシャンと名付けられた。

陸上ではネコより大きな動物はみな死に絶えた。
鳥類はすべての科の4分の3以上が絶滅した。
トカゲやヘビの仲間も5分の4ほど消滅した。
哺乳類も3分の2が絶滅した。

これらの大絶滅の境界を、「K-T境界」と呼ぶ。

この本いいですよ。装丁もいいので応接に飾ると映えます。
というより繰り返しよむことで、エコ精神をリマインドできる。

大地が裂けても♪
ぼくたちは築きなおす♪
生き残ったものを助けようとし♪
ぼくたちの世界を取り戻す♪

ジャクソンブラウンでStanding In The Breach(難局に立ち向かう)♪
人は、難局を乗りきることができるか・・・

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