
まさか連絡がくるとは思ってませんでした。
前回記事:孤独死した叔母の相続放棄はしんどかった
会社の昼休み、12時15分ごろ。
相手「県営住宅です。〇〇さんのご親族の方ですよね」
相手「〇〇さんの退去手続きを行っていただきたいのですが」
死後、約半年がたっています。
僕「はあ…」
相手「〇〇さんのご親族の方ですよね?」
僕「違います」
僕「母親の妹、叔母になりますが、大叔母の養女になっているので、法律的には母親のいとこになります。なので親族になりません」
僕「それと相続放棄をしています。叔母が勝手に後見人でもないのに緊急連絡先に甥であった僕の連絡先を書いていたので、死亡時に市役所の福祉課の人から連絡があって死亡確認に行きました。その場で市役所の人たちにも相続放棄を伝えています」
相手「相続放棄は裁判所にちゃんと申請して完了していますか」
僕「はい」
相手「通知書はありますか」
僕「はい」
相手「その資料をこちらに送ってもらえますか」
ここで僕はブチ切れました。もちろん声音は冷静で怒鳴ったりはしません。
僕「いや、こちらから送りません。なぜ無実の証明をこちらがしないといけないのですか?そちらで裁判所に確認してください。そもそも法律的には叔母ですらない。母親のいとこになるので何というのでしょう。呼び名すらわかりません」
僕「もう電話切らしてもらっていいですか」
相手「はい」
いや~、びっくりしました。まさか退去手続きの要請が僕に来るとは。県営住宅の入居保証人にすらなっていないのに。高齢の孤独死は親兄弟は亡くなっているし、自分に家族がいない場合は、甥や姪に連絡がくるとは聞いていましたが、まさか本当にピンポイントでぼくに連絡がくるとは。
退去手続き、とはAIに聞くと「県営住宅の退去手続き、家財撤去、不払い家賃、原状回復などの費用支払い」だそうで、数十万円ほどかかるそうです。
いや、ふつうは保証人に連絡がいくでしょう。保証人も亡くなっていたのかな。
しかも結構グイグイくる。証拠書類を提出してほしいとか。なんの義務があってそんなことしないといけないのか。
前回記事に書きましたが、相続放棄の手続きにかなり手間がかかって、その途中で判明した叔母が大叔母の養女にいなっていたという事実。その場合は僕に相続人の資格がないので、このまま相続放棄の手続きをやめても僕に負債支払いの義務は発生しない、とのAIチャッピー判断でした。
メンドクサくてしょうがなかったから、もう相続放棄の手続きはやめようと思ったのですが、ここまで時間かけてやったのだからと、最後まで完了させました。きっちり完了していてよかった。
相手「相続放棄は裁判所にちゃんと申請して完了していますか」
僕「はい」
相手「通知書はありますか」
僕「はい」
このときの相手の落胆の声色が耳に残っています。
しかし、今後はこういう案件が増えると思うので、皆様も同様のケースがあれば、相続放棄まできっちり仕上げておいた方が良いですよ。
