【スター・ウォーズ全9作あらすじ解説③】エピソード3/シスの復讐|アナキンはなぜダース・ベイダーになったのか

エピソード3/シスの復讐

 

映画『スター・ウォーズ』全9作の物語を振り返るシリーズ。第3回は、壮大なサーガの大きな転換点となる『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』です。

前作『クローンの攻撃』から続くクローン戦争は、いよいよ終盤を迎えていました。しかし、銀河共和国を守るための戦いの裏では、恐るべき陰謀が進行していました。

ジェダイとして成長したアナキン・スカイウォーカーは、愛する妻パドメを失う予知夢に苦しみます。そこにつけ込むのが、銀河元老院最高議長パルパティーンでした。死を克服する力があると語りかけるパルパティーンに、アナキンは次第に心を揺さぶられていきます。

やがてアナキンは、愛する人を守りたいという思いから、取り返しのつかない選択をしてしまいます。

ジェダイの滅亡、銀河帝国の誕生、そしてダース・ベイダーの誕生。本作は、希望に満ちた少年だったアナキンが、いかにして暗黒面へと転落していったのかを描く悲劇の物語です。

※この記事には映画のネタバレが含まれます。

『シスの復讐』のあらすじ

クローン戦争末期、銀河共和国と分離主義勢力との戦いは激しさを増していました。

そんななか、分離主義勢力に捕らえられたパルパティーン最高議長を救出するため、ジェダイのオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーが敵艦へと乗り込みます。

そこでふたりの前に立ちはだかったのは、前作で逃走したドゥークー伯爵でした。激しい戦闘の末、アナキンはドゥークーを打ち倒します。しかし、この勝利は、彼が暗黒面へと近づいていく過程の始まりでもありました。

一方、アナキンは妻パドメが自分の子供を身ごもっていることを知ります。しかし同時に、パドメが出産の際に命を落とすという恐ろしい予知夢を見るようになります。母を失った過去を持つアナキンにとって、愛する人を再び失うかもしれないという恐怖は、耐え難いものでした。

そんな彼に近づいたのが、パルパティーン最高議長です。パルパティーンは、死を克服する力を持つシスの教えをほのめかし、アナキンを誘惑します。

やがてアナキンは、パルパティーンこそがジェダイの敵であるシスの暗黒卿だと知ります。ジェダイ評議会へ報告した彼は、パルパティーンを逮捕しようとするメイス・ウィンドゥと行動をともにしますが、決定的な場面でジェダイを裏切ってしまいます。

パドメを救いたい一心で暗黒面に身を委ねたアナキンは、シスの弟子ダース・ベイダーとして生まれ変わります。

パルパティーンは共和国を解体し、銀河帝国の成立を宣言。さらに、クローン兵に秘密指令「オーダー66」を発令します。これにより、共和国を守ってきたはずのクローン兵たちがジェダイに一斉に反旗を翻し、銀河各地でジェダイたちが倒されていきます。

かつて平和と正義を守っていたジェダイは、壊滅的な打撃を受けることになりました。

アナキンを止めるため、かつての師オビ=ワンは彼のもとへ向かいます。ふたりは火山惑星ムスタファーで対決。かつて深い信頼で結ばれていた師弟は、今や互いの信念を懸けて戦うことになります。

激闘の末、アナキンは瀕死の重傷を負います。パルパティーンによって救い出された彼は、機械の身体を与えられ、黒い装甲に身を包んだダース・ベイダーとして生きることになります。

一方、パドメは双子の子供、ルークとレイアを出産します。しかし、心身ともに深く傷ついた彼女は命を落としてしまいます。

銀河はパルパティーン皇帝の支配する暗黒の時代へと突入します。しかし、ルークとレイアという双子の子供たちには、いつの日か銀河に希望を取り戻すという大きな運命が託されるのでした。

本作の見どころ

『シスの復讐』の最大の見どころは、アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーへと変貌する過程です。

アナキンは、もともと悪に染まった人物だったわけではありません。大切な人を守りたいという強い思いを持ち、ジェダイとして成長してきた青年です。しかし、母を救えなかった悲しみや、パドメを失うことへの恐怖が、彼の心を少しずつ追い詰めていきます。

その弱さを巧みに利用するパルパティーン。彼はアナキンの不安をあおり、ジェダイ評議会への不信感を深めさせながら、暗黒面へと引き込んでいきます。

また、オビ=ワンとアナキンの師弟関係も、本作の大きなテーマです。互いを信頼し、ともに戦ってきたふたりが、最後には命を懸けて刃を交えることになります。

さらに、ジェダイの滅亡と銀河帝国の誕生によって、シリーズ全体の世界が大きく変化します。後の『エピソード4/新たなる希望』へとつながる、極めて重要な一作です。

ここからは、物語を象徴する6つのシーンを振り返ってみましょう。

SCENE 1 パルパティーン最高議長の救出

分離主義勢力に捕らえられたパルパティーン最高議長を救出するため、オビ=ワンとアナキンは敵の旗艦へと乗り込みます。

ふたりの前に立ちはだかったのは、前作『クローンの攻撃』で逃走したドゥークー伯爵です。

ドゥークーは強力なフォースとライトセーバーの技を駆使し、ジェダイたちを圧倒しようとします。しかし、以前よりも大きく成長したアナキンは、激しい戦いの末にドゥークーを打ち倒します。

この勝利は、アナキンの実力がジェダイのなかでも際立つほど高まっていることを示す場面です。

しかし、ドゥークーを倒したアナキンに対し、パルパティーンはさらなる行動を促します。ジェダイの教えに反する選択を迫られるなかで、アナキンは徐々に自分の中の怒りや衝動を抑えられなくなっていきます。

パルパティーンは単なる救出対象ではありません。彼こそがアナキンの運命を大きく変える存在であることが、物語の進行とともに明らかになっていきます。

SCENE 2 グリーヴァス将軍との戦闘

分離主義勢力の指導者のひとりであるグリーヴァス将軍を追って、オビ=ワンは惑星ウータパウへと向かいます。

そこには大量のバトル・ドロイドが待ち構えていました。オビ=ワンは敵の大軍のなかへ単身で乗り込み、グリーヴァス将軍との戦闘を開始します。

グリーヴァス将軍は、複数のジェダイから奪ったライトセーバーを操る恐るべき敵です。4本の腕を使ってライトセーバーを振るう姿は、ジェダイとは異なる異様な迫力を放っています。

しかし、オビ=ワンもまた、長年の経験を積んだ熟練のジェダイです。相手の力にひるむことなく、冷静に戦いを進めていきます。

この戦いは、クローン戦争を終結へと導くための重要な局面となります。

また、オビ=ワンが危険な任務を引き受ける一方で、アナキンはパルパティーンの誘惑に深く引き込まれていきます。戦場で共和国を守る戦いが続くなか、ジェダイの内部では、さらに重大な危機が迫っていたのです。

SCENE 3 シスの正体が発覚、アナキンは暗黒面へ

アナキンは、パルパティーン最高議長こそが、銀河を裏から操るシスの暗黒卿だと知ります。

ジェダイにとって、シスは長年にわたって戦ってきた宿敵です。アナキンはこの事実をメイス・ウィンドゥに報告し、メイスは仲間のジェダイとともにパルパティーンの逮捕へ向かいます。

激しい戦闘の末、メイスはパルパティーンを追い詰めます。しかし、そこでアナキンは重大な選択を迫られることになります。

パルパティーンは、パドメの命を救うための知識を持っているとアナキンに信じ込ませていました。もしパルパティーンが殺されれば、愛する妻を救う唯一の手段を失うかもしれない。そんな恐怖が、アナキンの心を支配していたのです。

メイスがパルパティーンにとどめを刺そうとした瞬間、アナキンはメイスを裏切り、パルパティーンに加担してしまいます。

この決断によって、アナキンはジェダイの道から大きく踏み外します。

パルパティーンはアナキンを新たな弟子として迎え入れ、彼にダース・ベイダーという名を与えます。愛する人を守るために選んだはずの道が、結果として銀河を暗黒へ導くことになるのです。

SCENE 4 最高機密「オーダー66」発動

パルパティーンは、共和国を守るために戦ってきたクローン兵たちに、秘密指令「オーダー66」を発令します。

その命令は、ジェダイを共和国への反逆者とみなし、抹殺するというものでした。

これまでジェダイとともに戦ってきたクローン兵たちは、突然その銃口をかつての仲間へと向けます。信頼していた兵士たちから裏切られたジェダイは、銀河各地で次々と倒されていきます。

戦場で指揮を執っていたジェダイも、遠く離れた惑星で任務に就いていたジェダイも、例外ではありませんでした。

さらに、アナキンはパルパティーンの命令を受け、ジェダイ聖堂へと向かいます。そこで、ジェダイの騎士だけでなく、修行中の若いパダワンや幼いヤングリングまでもが犠牲となります。

かつて平和と正義を守ってきたジェダイの組織は、壊滅的な打撃を受けることになりました。

この一連の場面は、スター・ウォーズの歴史が決定的に変わる瞬間です。共和国を守るはずだった軍隊がジェダイを滅ぼし、銀河を独裁へと導く。その皮肉な展開は、本作の悲劇性を強く印象づけます。

そして、パルパティーンは共和国の終焉と銀河帝国の成立を宣言。銀河は新たな暗黒時代へと突入します。

SCENE 5 悲劇の師弟対決、ムスタファーの死闘

アナキンが暗黒面へと転落したことを知ったオビ=ワンは、彼を止めるために行動を起こします。

オビ=ワンはパドメの宇宙船に身を潜め、アナキンが向かった火山惑星ムスタファーへと向かいます。

しかし、アナキンはパドメがオビ=ワンと結託して自分を裏切ったと思い込み、彼女にまで危害を加えようとします。かつて愛する人を守ろうとしていた青年は、疑念と怒りに支配され、もはや以前の姿を失っていました。

オビ=ワンは必死にアナキンを説得しようとします。しかし、アナキンは師であるオビ=ワンを敵とみなし、ふたりはライトセーバーを手に戦い始めます。

溶岩が流れる危険な地形を舞台に、激しい攻防が繰り広げられます。長年にわたり師弟として戦ってきたふたりが、互いの信念を懸けて刃を交える姿は、シリーズ屈指の名場面です。

戦いの末、オビ=ワンはアナキンの四肢を切断し、彼を倒します。

それでもアナキンは、オビ=ワンへの憎しみをあらわにします。オビ=ワンは深い悲しみを抱えながらその場を去り、かつての弟子を救うことができなかった現実と向き合うことになります。

瀕死のアナキンはパルパティーンに救い出され、機械の身体を与えられます。そして、黒い装甲に身を包んだダース・ベイダーとして生まれ変わるのです。

この師弟対決は、アナキンがジェダイとして歩んできた過去との決別であり、ダース・ベイダー誕生を決定づける悲劇的な瞬間でもあります。

SCENE 6 最後の希望はアナキンとパドメの子供たち

ムスタファーでの戦いの後、パドメは双子の子供を出産します。

男の子にはルーク、女の子にはレイアと名づけられました。

しかし、アナキンの変貌と銀河の混乱に深く傷ついたパドメは、子供たちを残して息を引き取ります。

一方、パルパティーンの支配が始まった銀河では、ジェダイの生き残りたちが追われる身となっていました。ルークとレイアの存在を守るため、ふたりは別々の場所で育てられることになります。

ルークは惑星タトゥイーンで、父方の親族であるラーズ家に預けられます。一方、レイアはオルデランのベイル・オーガナ夫妻のもとで育てられることになりました。

ふたりを離して育てることは、帝国やシスの目から彼らを守るための決断でした。

こうして、銀河が暗黒に包まれるなか、最後の希望はアナキンとパドメの子供たちへと託されます。

アナキンがダース・ベイダーとなり、ジェダイが滅び、銀河帝国が誕生する。本作は悲劇的な結末を迎えますが、同時に次の世代へと希望をつなぐ物語でもあるのです。

「シス」「ダース・シディアス」「パルパティーン」の違い

ここで、物語を理解するうえで重要な名前を整理しておきましょう。

シスとは、フォースの暗黒面を信奉する勢力や、その教えを受け継ぐ者たちのことです。一方、ダース・シディアスは、シスの暗黒卿としてのパルパティーンの名前です。

つまり、共和国の最高議長として知られるパルパティーンと、ダース・シディアスは同一人物。政治家として共和国を導く一方で、裏では銀河を支配する計画を進めていたのです。

そして、アナキン・スカイウォーカーが暗黒面に堕ちた後に名乗るのが、ダース・ベイダーです。「ダース」はシスの暗黒卿が用いる称号の一部であり、名前に「ダース」が付いていても、全員が同一人物というわけではありません。

まとめ:英雄アナキンの悲劇と、新たな希望の誕生

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』は、アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーへと変貌し、銀河共和国が帝国へと変わる過程を描いた作品です。

愛するパドメを失うことへの恐怖、ジェダイ評議会への不信感、そしてパルパティーンの巧みな誘惑。さまざまな要因が重なり、アナキンは取り返しのつかない選択をしてしまいます。

オビ=ワンとの悲劇的な師弟対決や、オーダー66によるジェダイの滅亡は、シリーズ全体を通しても忘れがたい場面です。

しかし、すべてが絶望で終わるわけではありません。

ルークとレイアという双子の誕生によって、銀河には新たな希望が残されました。彼らの存在は、やがて帝国の支配に立ち向かう物語へとつながっていきます。

なぜ、かつて銀河の希望とされたアナキンは、暗黒面へと転落してしまったのか。そして、ダース・ベイダーとなった彼に、再び光が差す日は訪れるのでしょうか。

その答えは、オリジナル三部作へと続く物語のなかで明らかになっていきます。

次回は『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』。帝国の支配が続く銀河で、青年ルーク・スカイウォーカーが運命の冒険へと踏み出す物語を紹介します。

 

本記事は以下の本から抜粋要約しました。

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